• テキストサイズ

~月夜の紅~ 銀魂原作沿い小説

第9章 【第八訓】昔の武勇伝は三割増で話の話


「お登勢さん! 大変です!」

 程なくして、新八と神楽が戻って来た。
 新八、神楽、キャサリンの三人はゴミ捨てに行っていたが、随分と時間が経っていた。

「お帰り。遅かったね」

 それに、キャサリンの姿がない。
 戻りが遅かった理由はキャサリンにあった。
 彼女の昔の盗賊団仲間が現れ、その道に彼女を引き戻そうとしているという。
 今日、来なければ、この『スナックお登勢』に火を放つと脅している場面を新八と神楽は見た。

「ヘェー、そうなんだ」

 それを聞いたお登勢の反応は薄いものだった。

「このままじゃ、キャサリン、また泥棒になっちゃいますよ!」
「へェー、そうなんだ」

 ○○も同じ言葉を呟く。

「○○さんまで!」
「いや、私はキャサリンが元泥棒だったんだってことに感心しただけだよ」

 だから鍵開けが十八番なのかと、先程お登勢が言っていたことに納得する。

「ほっときゃいいんじゃね」

 銀時のように、神楽が投げやりな言葉を落とすと、

「そうそう、ほっとけほっとけ」

 本家本元、銀時が紙袋を抱えて戻って来た。

「銀さん! どこに行ってたの!」

 ○○は銀時に詰め寄る。

「上に戻っていろいろ探してたんだよ。家賃の代わりになりそうなものを見つけにな」
「家賃の代わり? そんなものある?」

 ○○は眉をひそめた。
 そんな高価なものが万事屋にあるとは思えない。

「これだ」

 銀時は得意気にそれをカウンターに置いた。

「お天気お姉さん、結野アナのフィギュアだ」
「あ――」

 アンタ、バカですかァァァ!
 と、○○が声を上げる前に、銀時はお登勢の手によって店から叩き出された。
/ 502ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp