第46章 【第四十五訓】真選組動乱篇 其ノ二
「副長ォォォォ!!」
彼等は後方から続々と駆けつけた。
近藤暗殺に加担していない、正真正銘の真選組の仲間達。
銀時は無線で屯所と全車両に呼びかけ、近藤を追うように指示を出していた。
敵は自分達に任せ、その隙に近藤を救出するようにと彼等は土方に告げた。
土方を乗せたパトカーは近藤を乗せた列車を追ってスピードを上げる。
「近藤さん!」
近藤が乗っていると思われる列車の後ろに追いついた。
「アレだよ、銀さん、あの車両――」
後部座席の窓から身を乗り出している○○は前の列車に人差し指を向けた。
ボンネットに乗ってバズーカをぶっ放していた銀時は、○○の示す方向にバズーカを向けた。
「え?」
銀時はためらうことなく弾丸を発射した。
前方の車両を直撃し、黒煙が立ち上る。
「コラァァァ! 何してんの!!」
「アレを狙えって砲撃命令だろ」
「違うわ!!」
「何すんだァァァァ!! てめーらァァァァ!!」
声を上げながら近藤が姿を現した。
「近藤さん!」
近藤はまだ敵の手に落ちていなかった。
銀時にも暗殺されていなかった。
「お前ら、まさかトシをここまで……」
万事屋と真選組は犬猿の仲。
土方を連れ、近藤を助けるためにこんなことまで出向いて来るとは到底信じられない。
土方が妖刀に魂を食われたことを知ると、近藤は土方を連れて逃げてくれと万事屋に依頼した。
「近藤さん!」
近藤は○○に目を向けて首を振った。
「近藤勲は戦死した」
これ以上仲間同士殺り合うのはたくさんだと言う近藤の言葉を聞き、土方は無線を手にした。
全車両に告げたのは、近藤とは正反対の言葉。
近藤勲は無事救出した――
「あんたは真選組の魂だ。俺達はそれを護る剣なんだよ」
土方はタバコを吹かす。
「ト、シ……?」
目の前にいるのはヘタレたオタクの土方ではなく、紛れもなく○○の知る鬼の副長・土方十四郎。