第44章 【第四十三訓】集え、バベルの勇者達!!の話
「おせーな」
合コン当日。
銀時、○○、新八、神楽の四人は家康像の前で待ちぼうけを食っていた。
約束の時間は過ぎたが、妙も九兵衛も男達も誰一人として現れない。
「このままじゃ俺達があのガキ口説かにゃならん事になりそーだぜ」
洩らされた銀時の言葉に、○○は鋭く反応する。
「へー、ふーん、銀さんが九兵衛さん口説くんだ。へー」
「仕方ねーだろ。俺か新八しかいねーんだからよ」
「九兵衛さんが銀さんに惚れちゃったらどーすんの? あーそうか。九兵衛さんに乗り換えるんだ」
「あ? 何言ってんだお前」
「九兵衛さん、私なんかよりよっぽど可愛いもんねェ」
膨れっ面を隠そうともしない○○に新八は困り果てる。
○○がこの調子ではバベルの塔建設阻止計画にも暗雲が垂れ込める。
「○○さん、姉上の話を聞いてから疑心暗鬼になりすぎですよ」
女が銀時の所に押しかけていたという話を聞いてから、○○は銀時の女性関係に疑いを抱いている。
キャサリンとの関係は疑っていないが、別の女がいないとは限らない。
銀時は夜な夜な飲み歩いている。そこに女が絡んでいないとなぜ言い切れよう。
「どうにかして下さい、銀さん」
新八は銀時に目を向ける。
銀時は○○の態度など全く意に介していない。
「なんで俺が○○の機嫌取んなきゃなんねーんだ。アイツが勝手に疑ってんだろ」
「銀さんが○○さんを不安にさせるようなことばかりしてるからでしょう」
いつぞやの隠し子騒動然り。
相変わらずキャバクラにも足を運んでいるし、朝帰りもざらにある。
また『あなたの子どもです』と万事屋の前に赤子が捨てられたとしても新八は驚きはしない。
「このままじゃ、九兵衛さんに○○さん取られちゃいますよ」
新八は盛大に溜め息を吐く。
「あ? なんであのガキが出てくんだ」
「○○さん、九兵衛さんに魅力的な女性って言われて頬染めてましたよ」
バベルの塔建設阻止どころか、○○まであらぬ道へと導かれかねないと新八は訴える。