第41章 ●戒める●
そんなこんなしてたら家に着いた。
「ただいま。」
「直哉さまー!大変でございまーす!」
俺付きの使用人が大慌てで走ってきた。
「何や?」
「真希様と真依様がお逃げになられました。」
「ハア?」
「五条悟の手引きのようです。」
「何やて?」
「真希様が先に高専東京校へ向けてお出になられ、その後続くようにして真依様は京都校へ。」
「やられた。」
せやけど悟くんもひどいなぁ。
俺に何の断りもなしに連れて行くやなんて。
これはもう悟くんに会いに行くしかないんちゃう?
恋ちゃんにも会って真希ちゃん連れ戻さなあかんな。
「よっしゃ!行くで!乗り込むで!」
恋ちゃんに会うの楽しみやなあ。
ますますええ女になってるんやろな。
あれ?そういえば悟くんって結婚とかどないすんのやろ?
あの恋ちゃんのことや。
悟くんが他所の女と結婚するのを黙って見てる訳がない。
悟くんが別の女と結婚して恋ちゃん、お妾さんになる事納得してはるんやろか?
その辺も会うたら聞いてみなあかんな。
次の日、意気揚々と高専に乗り込んだ俺。
「恋ちゃんどこにおんのやろ?ここも割と広そうやなぁ。」
「あのう、失礼ですがどういったご用件でしょうか?」
黒いスーツを着た男に声をかけられた。
「悪いんやけど恋ちゃんいてはる?」
「恋ちゃんとは、我が校の教員である龍恋1級術師の事でしょうか?」
「せや。恋ちゃんどこにいてる?」
「ただいまの時間はランチタイムです。天気がいいので外で召し上がると仰ってましたので、裏庭の方でないかと……」
「おおきに。ほなちょっと探してみるわ。」