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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第13章 二人の絆


信玄「君は………」


黒色の目が驚きで見開かれた。


信玄「外見からは想像できないくらい気が強いんだな。それに驚くほど真っすぐだ。
 謙信を落とすだけのことはある………いい女だ」


吐息が触れる距離でそう囁かれ、黒の瞳が本当の意味で初めて私に興味を持ったようだった。

憐みの色は消えて私を欲しているような、そんな欲を含んでいる。


「どいてください!」

信玄「可愛い姫の願いとはいえ、それは聞いてやれない。
 作戦変更だ。君を俺のモノにしたい」

「は!?」

信玄「謙信をやめて俺を選んでくれないか?そうすれば万事うまくいく。
 君の輿入れの際、甲斐の統治を信長に申し出る。
 安土の姫の嫁ぎ先が、俺が居候している春日山城ではサマにならない。
 信長は俺に統治権を譲るだろう。
 本来は戦で勝ち取りたかったがそうも言っていられない」


信玄様は不本意そうな表情をしていたけど、やがていつもの表情に戻り甘い眼差しを向けてきた。


信玄「君が俺を好いてくれれば丸くおさまる」


(どこがっ!?)


「おさまりません!信玄様はご自分の国のことばっかり!
 私はあなたを好きになりませんし、無理やり手を出したら謙信様が黙っていないでしょう?」

信玄「国を取り戻すのは治めていた者の責任だからな。当然だ。
 しかしそうだなー。あいつは口よりも先に手が出る質だからな…さてどうしようか。
 君の心はこれから俺が攻め落とすから問題ない」


悪戯を含んだ微笑みを浮かべ、信玄様は楽しそうだ。
あまりに勝手な物言いに呆れ果てる。


(信玄様ってこんな方だったの!?
 もっと大人なのかと思ってた!!)


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