第66章 クリスマス🎄お題夢 / コミュニティ内で募集
〜炭治郎と過ごすクリスマス〜 12月23日
「わー、イブイブでもケーキやチキン買う人やっぱり多いね。今日来て良かったかも」
「? イブイブって何だ?」
「二十四日がクリスマスイブでしょ。二十三日はイブの前の日だから、イブイブ」
「あ、言われてみればそうだな」
外に出れば冷たい空気が体と心を縮こませる十二月下旬。俺は彼女の七瀬と一緒にショッピングモールへ買い物に来ている。
クリスマス関連の物を購入する為だ。
妹の禰󠄀豆子も俺達と同じように、クリスマスの買い物に行くと聞いた。相手は善逸だ。
「禰󠄀豆子、ホリデー限定のヘアオイル買いに行きたいって言ってたよ。この時期は乾燥して髪がパサパサになるからって…」
「確かに寒くなると髪の手入れが丁寧になるかも。後、梅雨もだ!女の子は大変だなー」
「私もこの時期は乾燥で肘や膝がカサカサになるから、ボディクリーム欲しいかも…」
「七瀬」
「ん? 何?」
ホリデー限定って何なのだろう。
普段耳馴染みがない言葉が彼女から飛び出し、ずっと頭に疑問符がふわふわと浮かんでいる。
だから俺は率直に質問をぶつけてみた。
どうやら今のクリスマスシーズンの事らしい。この時期のみ発売される商品が多く売り出されるそうだ。
「クリスマスらしく、キラキラしたアイテムがいっぱいあるんだよ。毎回買うわけじゃないんだけど今回は欲しいなあって思ってね」
「へ、へえ…」
「ふふ、理由知りたい?」
「うん…」
【肌触りが良くなったら、夜の時間も少し充実するかなあって…思った】
!!!…そ、そうなのか。
スッと俺の耳に口を寄せて、秘密話をするように教えてくれた彼女。
でも…七瀬の肌って充分…
「あれ? 炭治郎、どうしたの? 顔赤いよ」
「あ、ああ。ごめん、何でもないよ」
「ふふ、そうー?」
同い年だけど、時々年上のように感じる時もある七瀬。
「料理はどうする? 思い切って丸鶏買って焼いちゃう?」
「本格的になりそうだな」
「一年に一回だからね」
明日はイブか。
店内を流れるクリスマスソングが、心を少しずつ浮き足立たせてくれる。
俺は七瀬と手を繋ぎ直して、モールの食材コーナーに向かった。
〜終わり〜