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君と紡ぐ恋物語【鬼滅の刃】

第9章 あなたの愛に包まれて*後編 上* 宇髄天元



「こんにちは不死川さん。今日はお世話になります」

「こんにちは!」

奏真も一緒にあいさつをした。

「あいさつ出来てえらいなァ」と不死川さんは奏真の頭をよしよしと撫でる。
さっきとは一変、優しい笑みを浮かべる不死川さん。
きっと子供か好きなんだろうなと思った。

「ゆっくりしてってくれェ。人ん家で居心地悪ぃかもしれねェがなァ」

「いいえ、とっても素敵なお家です!私、ウッドデッキがあるお家、憧れなんです!」

褒めた勢いでついポロッと自分の夢を暴露してしまうと、不死川さんはフッと笑った。

「ヘェ、そんなら参考がてらにうちの見てってくれてもいいぜェ。オイ宇髄ィ。お前の嫁さんのご希望はウッドデッキ付きの一軒家だとよォ」

“嫁“のワードにドキリと心臓が跳ねた。
しかもまだ宇髄さんに言ったことのなかった密かな夢まで口にしてしまって、突然言われた宇髄さんは迷惑なのでは…?

そろりと宇髄さんを見上げると、

「おぅ、任せとけ」

にこりと微笑み、頼もしい返事が返ってきた。

この先の楽しみが増えた。
私もう、胸がいっぱいだ。





玄関からリビングへと通されると、

「いらっしゃーい、待ってたよー!」

不死川さんの奥様が息子さんを抱っこしてお出迎えしてくれた。

栗色のふんわりウェーブのセミロングに、くっきり二重の澄んだ瞳。
なんて綺麗な奥様なのか…
自分には無い女の魅力についつい見惚れてしまう。

「よっ、久しぶり葉月チャン。息子も元気してたか?」

「宇髄くん久しぶりー!元気してたよ。息子もほら、この通り〜」

「ますます不死川に似てきたんじゃねぇ?」

「そうなの、小っちゃい実弥くんなの。可愛いでしょ?」

「葉月、その辺にしとけェ。…小っちゃい俺とか恥ずいわァ」

親しげに話す3人。
キメツ学園の同期なのだと宇髄さんから聞いていた。

楽しそうな様子に、少々置いてけぼりを食らった気分になってしまう。





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