第39章 不器用な友達
ピロン♪
「!」
授業が全て終了し、家までの帰り道を一人で歩いていた時、ポケットにしまってあった携帯にメールが届いた。
「(マイキーくんからだ。)」
届いたメールの内容を確認する。
【学校終わったよな?そのまま武蔵野神社に集合!待ってるから早く来いよー!】
「神社?何で急に?」
頭に疑問符を浮かべる。
「(今日は特に用事もないし、別に寄り道してもいいか。)」
【今から行きます】と文字を打ち込み、マイキーに送信した。来た道を引き返し、カノトはマイキーが待つ神社へと向かった。
✤ ✤ ✤
武蔵野神社に着き、石段を登って鳥居を潜る。そこには学ランを着たマイキーとドラケンが待っていた。
「遅くなってすみません」
「おうカノ、こっちこそ急に呼びつけて悪ぃな。用事とかなかったか?」
「はい」
「カノはオレの頼み断んねーもん」
「お前の呼び出し方はいつも相手の都合なんかお構い無しだろうが。どうせコイツ呼び出す時も"待ってるから"とか"早く来いよ"とか入れて、カノを強引に誘ったんだろ」
「強引じゃねーし。ちゃんとこうして来てくれたってコトはカノに何も用事はなかったってことだろ。なー?」
「私が断ってもOKなパターンでした?」
「やだ。」
「…だから来たんですよ」
「家に帰ってもどうせ予習とかするだけだろ?だったらオレと会う方がぜってー楽しいじゃん♪カノだってオレに会いたかっただろ?」
「…まぁ、否定はしません」
「オレも会いたかった〜♥」
マイキーは嬉しそうな顔でニマニマと笑う。
「早速イチャついてんじゃねーよ」
「ケンチン羨ましいんだろ〜」
「羨ましいワケあるか。お前らのイチャつき具合は甘すぎて俺には合わねーんだよ。周りにハート飛ばしやがって」
「ハート?何のことですか?」
「マイキーから溢れ出てんだよ。カノが好き過ぎるっていうオーラが。少しは抑えろよマイキー」
「えー抑えなくても良くね?ハートいっぱい飛ばしてカノに好き好き〜って伝えてんの」
「な、何を言ってるんです…!」
「あー真っ赤になった〜♥」
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