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ぬらりひょんの孫〜鯉伴、もう一人の子供〜

第10章 奥州遠野一家




「⋯⋯孫相手に、刃傷ざたなど⋯やりすぎです。いくらか、厳しすぎやしませんか。」

カラス天狗がそう言った

「⋯いや、ワシは少しリクオに過保護すぎた。」

「へ⋯」

「おいカラス⋯あいつらを呼べ⋯」

⋯?あいつら?

「な⋯⋯なんですと!?まさか!!リクオ様をあそこに⋯!?

無茶です!!殺す気ですか!?総大将!!」

「うるさいだまれ、カラス天狗」

おじいちゃんがそう言うとカラス天狗が黙る

『⋯おじいちゃん』

「サクラか」

『あそこって?どこにリクオを連れて行くつもり?』

「⋯奥州遠野一家。所謂隠れ里じゃ、里全体が妖怪のようなものでな⋯畏れを断ち切る力がなければ出れん所じゃ」

『そんな所があったのね⋯』

「で、お前はどうするつもりじゃ。
リクオと共に京都に行くつもりじゃったのか。」

『んー⋯どうかしら。
リクオは護ってあげたいんだけど⋯リクオを成長させてもあげたいからね。

ただ、今のリクオが京都に行くって言うならおじいちゃんと同じ事をしてたかもしれない。』

「そうか。
なら、お前も遠野へ行ってみるか?そこで新しいものも見つかるやもしれんしな」

『とか言いながら、ちょっとだけリクオが心配なんでしょ?』

「⋯孫じゃからの。
それに、お前が付いてれば間違いはなかろう。ただし、修業の手助けはするなよ。」

『もちろん。

さて、リクオを運ばないとね』

私はリクオを横抱きにする

カラス天狗が驚いた顔をしていた

『カラス天狗、鴆を呼んできてくれる?』

「!はっ、承知しました」

カラス天狗は慌てて飛んでいく

私はリクオの部屋へ向かう

びしょ濡れだ⋯

部屋に入る前に水分飛ばさなきゃ⋯

『水よ、自然に還りなさい』

リクオの衣服や髪から滴る水分を飛ばす

これで風邪は引かないわね

リクオを布団に寝かせ、傷を癒す

「おう」

鴆が部屋に入ってきた

『鴆』

「じーさんとやり合ったって?」

『そうなの、傷は癒したんだけど⋯』

「なら大丈夫だろ。しばらくは様子見だろうが⋯」

鴆は私の横に座る

「で?何を思い詰めた顔してんだ」

『⋯ハハ、本当に鴆はよく見てるね。

⋯もっと私がリクオを鍛えてたら今回みたいな事にはならなかったのかなって⋯
それに⋯』




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