第15章 隠蓮慕
菖蒲に指一本も触れさせないのは容易なことで、それは問題ないにしても、鬼殺隊がこないということはありえないし、どこで見ているかもわからない。
だからこそ、出来るだけ目立たないようにという菖蒲の忠告は己にとっても気をつけねばならぬこと。
「あぁ…それは解っているよ」
菖蒲の方も、今まで童磨のそれを解っていたし、それでも行きたいというのなら、何があっても動じてはならないと腹をくくった。
鬼といるということは即ちそういう事。
強い鬼といるということは、死が一番近く身近な問題である。
改めてそう思ったのだった。