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極楽浄土【鬼滅の刃/童磨】

第13章 花戯れ



熱い浸食、花弁に隠された傷は
蜜を弄られる際に熱となって溶かされ癒えていく気がした。

心の深くに残った泥がアメで流されて
涙になって溢れ出る。
泥をはねた花が淡く満たしていくほどに
この上ない愛の果てに満たされていく。

ただただ、促されるままに喘いで、
快楽から逃げようとする身体を強く引き止めたまま離さない。

「だめぇっ!おかしくなっちゃ…!あ”ぁっ!」

容赦なく攻立てる
身体が仰け反る
髪を絡める指が震える

その瞬間、全身の甘いわななきや収縮と共に、何かが白んで弾ける衝撃を脳内で感じた。

「あぁ…いい反応だ…。イッちゃったね。実に甘美だよ…」

ひとつひとつ体を上るように落される口づけに
ひくつく体が反応する。

「もう、この体はね、死ぬまで俺しか触れられないんだ。
絶対放してあげないよ…」

甘く残酷な言葉も、泥酔して溺れるような心地よさしかない。

筋肉質な身体で包まれて、獲物を捕らえたような眼差しに
挑発で応える。

「死んでも離れてあげない」

「それは極上のご褒美だ…」

鋭利な犬歯が見えるほどに、あなたは熱を孕んだまま微笑んだ。




熱っぽい眼差しを向けたまま涙を流すのは
なんて意地らしく美しく映るんだろう。

これまで知らない感情に振り回されて
華奢な身体を熱欲のままに貪り、快楽に溺れるなど
菖蒲に逢うまでに想像すらしなかった。

懇願するように
甘えるように
頸に絡む腕

淫靡に誘う香りに身を沈めるように
纏う空気を吸って、また、舌が深く絡む口吸いに溺れる。

滾り反り勃つものを、菖蒲の呼吸を奪ったまま、
下腹の蜜壺に突き立てて深くまで沈める。

「んんっ…んふっ……ふっ」

彼女が快楽で押し付ける湿度のある身体。
身をゆだねられることによる支配欲の充足感

細い躰を深く深く抱きしめた。

脳天をつくような、耽美な息が心地よい
既に搾り取るように絡む膣内で、堪能したい思いよりも衝動がゾクゾクと搔き立てられる。


___困ったな……まだ、無理はいけないだろうに。

__________抱きつぶしてしまいそうだ。


薄っすらと目をあけて、菖蒲と視線がかち合う。
すでに葛けて艶めいた眼差しに完全にタガが外れた。
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