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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第34章 その男の名は……。


むすっとした顔で僕にツッコミをした後にすぐに微笑む彼女。もたもたと僕の横に這った後に目の前で横たわり、僕もハルカに合わせもう一度畳に寝そべる。いや、側頭部堅いわ。座布団に手を伸ばそうとしたらハルカも同じことを思ったらしく式髪をするすると伸ばし、ふたつの座布団を手繰り寄せていた。

便利に使ってるよねえ……、呪いの居る戦場に立つことよりも怪我を治す現場という戦場に立つ事が多いハルカ。アウトプットする機会は少ないはずなのにこういう所で繊細さを鍛えている…というか、サポート面で便利な術式を日々の生活に取り込み、自身を理解してる。それは良い事なんだけれどさ…。

深呼吸をするとい草の香りがなんとも落ち着く。仕事が入らない休み、最っ高!
向かい合う大好きなキミにご機嫌なウインクを打つ。喰らえ、五条悟のメロメロウインク!なんつってな!

「面倒くさいからって体を動かさず術式で横着ばっかしてると太んぞっ?」

『へー、あっそ!じゃあ私の分だけ座布団取ろーっと。悟は自分で取ってね?』
「まって、ごめん僕の分も取って!取りに這ってくのは面倒くさい!」

嫌そうじゃないけど『仕方ねえな…』っていつもみたいに愚痴って、一緒になって座布団を枕に畳に横になって。
座布団を折り、枕にして向かい合う僕たち。今頃皆忙しいんだよね。そんな中での休みっていう背徳感。仕事中は長く感じる時間が今はとても短く感じちゃう。

ずっと、こうしていたいんだよねえ…、と穴が開くくらいに僕の可愛いハルカを見つめた。笑みを浮かべていた彼女も段々と視線が泳ぎだす。ちょっと照れてるのかな?

『……な、なに?』

「んー……なんでもない、けどこのままハルカの事見ていたい。用がなくても見ていたって良いだろ?」

静かに頷くハルカ。にらめっこってわけじゃない。ただじっと彼女の顔を見る。瞳の奥を、眉を、鼻を唇を。このハルカを形作るもの全てが僕、五条悟のもの!
昔ならハルカも照れて視線を外していただろうに、流石にずっと一緒に居るから慣れて僕を見てる。僕がハルカをひとつひとつ確認している間にも僕の目元を見ていたその視線。彼女はこっちを見ているけれどほとんどが僕の瞳を集中的に見てた。

「(僕の眼、好きだよねー……ハルカ)」
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