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【ハイキュー】思い出すのは、いつも【黒尾鉄朗】

第59章 5月中旬(海)


「………おーい。もうすぐ着くぞーーー」





……………。





遠くでアキくんの声が聞こえる





………………。





「おい!着くぞ!」





今度はさっきよりもハッキリと





………………。





重いまぶたをゆっくりと開く。





窓の外を見ると、真っ暗闇の世界




薄く目を凝らすと



規則的に


ただ、不規則に



こちらに向かって寄せられる波が見えて




目的地近くまで来てるのかな?って。





いや、アキくんが今

もうすぐ着くって言っていたから




もうすぐ着くんだろう。





しばらく、長く続く海岸線を


ボーッと窓越しに眺めた。





目の前の信号は赤信号で


私を乗せた車は、緩やかに停止線の手前で止まる。





「おい!奈々!起きろ!着くぞ!」





止まった途端、右肩をグラグラと揺らされて





「………起きてる」



「………お前なぁ。だったら返事しろよ」



「ごめん」



「いいけど」





呆れ顔で私を見ていたその視線は



目の前が青色に変わると

また、前を向いて



その少し後に、車が動き始めた。





「ごめんね?」



「何に対して~?」




本当に


相変わらず謝ることが多すぎる。





「運転してもらってるのに寝てて」



「寝てていいって言ったの俺だし」



「ありがと」


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