第23章 バレンタイン(翌日)
「………てかまず自分で結んでいいですか?
そもそもの結び方が合ってるのかわからなくなりました」
結ばせてってお願いをしておきながら
結び方がわからない。
「どーぞ」
「すみません。えーっと………」
鏡の前に移動して
だけど
あっれ~?
どうしよう
ちょっと、ワカラナイ………。
「そこ逆ね」
「え?」
「こう」
私の後ろから、こうだよって教えてくれる黒尾さん。
突然のバックハグ?のような状況に、思わずドキドキする。
「って聞いてる?(笑)」
「すみません。ドキドキしすぎて聞いてませんでした」
「正直でよろしい。
なに?これがドキドキすんの?」
さっきよりもっと密着して、たぶん本当のバックハグ。
「ね、鏡見て?」
言われた通り鏡を見てみると。
「顔、真っ赤で可愛い」
真っ赤な顔の私と目が合う。
「そこ、流して下さい」
「なんで~?可愛いじゃん」
そう言いながらほっぺにチュって
キスされて。
それをまた、鏡越しに見てしまったから
ダメだ
クラクラしてきた。