第24章 カレシとカノジョ

快感の余韻に身体を震わせる彼女の前髪をそっと指で避けてやる。
汗ばんだ肌、紅潮した頬、乳房も性器も、全てをオレの前にさらけ出したまま弛緩しきった肢体。
それに加えて、愛液が垂れる程に満たされ、ぎゅうぎゅうとオレの指を揉みあげるように動く膣内の感触に、どうしようもなく劣情を掻き立てられる。

「グレイス…綺麗だ」

先走りが先端に溜まる程張りつめた自分のモノをそこに割り入れたらどれ程気持ち良いのだろうかと欲が湧くが、それ以上にグレイスを大切にしたいという気持ちが辛うじて理性を繋ぎ止める。

「はーっ…はぁ…ごめん、また…私だけ…」

「いいんだ、本当にオレは十分満足しているから」

決して嘘ではない。女性は身体を無理矢理開かせたところで、心が開いていなければ快感を得られないとはよく聞くこと。
逆に言えば、こうしてグレイスがオレからの愛撫で達してくれることでグレイスの愛情を感じられてオレも満たされる。

「でも、やだ、イギーの…辛そう。やだ、やだ、イギーも」

まだ全く身体に力が入らない状態なのに「こっちに来て」とベッドの空いたスペースにオレを仰向けにしようと誘導する。
そんな様がとても健気だと思ったし、そこまで言うならグレイスの希望を叶えてやりたいし、…正直、オレも叶えてほしいと思った。

「ありがとう、グレイス。だが今の状態でグレイスが身体を動かすのは辛いだろう。グレイスは寝たままで構わないから、身体を少し借りても良いだろうか？」

「うん…？　イギーがそれで気持ち良くなれるなら…」

「あぁ、問題ない」