【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
撮影だから安全に配慮しているんだとわかっていてもヒヤヒヤさせられる。
見ているだけでヒッと声が出てしまいそうになるシーンが終わり、とある男の導きによって青年は魔法のランプの魔人と出会う。
街で助けた美しい女性は、実はこの国の王女様だった。
そんな肩書は抜きにして、心優しい女性を青年は好きになっていた。それは実は相手のお姫様も同じなのだけれど…
ありのままの自分は盗みで食いつなぐその日暮らしの盗っ人。そんな男に好意なんて持ってもらえる訳がないと自信が持てない青年は、ランプの魔人に『オレを王子様にしてくれ』と頼む。
そうして架空の国の王子様になった主人公の青年は王女様とお近づきになろうと張り切るが、偽りで固めた自分ではヘマをしてばかり。
あの日、手を取り合って街中を駆け抜けた時のように心を通わせた会話なんて全く出来なかった。
散々な再会をしたそんな日の夜、ランプの魔人の計らいでこの映画の最も象徴的なシーンの一つ、空飛ぶ絨毯での空中散歩に誘うことにした。
『人が空を飛ぶなんてありえない』と戸惑う王女様に対して『僕を信じて』と誘い出したその先は、美しい街の夜景も、星空も、全て二人だけの夢のような世界だった。
空を巡り、水飛沫を上げながら水面を駆ける映像美はさすがとしか言いようがなく、堪えきれず感想が口をつく。
「…きれー…」
「全くだ、一体どうやって撮影しているんだろうな」
「ちょっと」
折角夢の世界に浸っていたのにやけに現実的なことを言われてしまった。まぁイグニスらしいといえばらしいんだけど…。