【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第23章 夢
グレイスが暗闇で足元を取られないように、来た時と同じようにしっかりと身体を支えて車まで誘導する。
帰り道もさほど渋滞に捕まらずスムーズに進めたが、グレイスのマンションに着いた頃には20時を既に回ったころだった。
「部屋まで送ろう」
車を下車し、再びグレイスの通学バッグを手に取りエントランスへ二人並んで歩く。
警備の人間がいたり、そこかしこに監視カメラがあるのは防犯上はとても良いことなのだが、
その分手を繋いだりするのも憚られるこの環境は、恋人として振る舞いたいと思う場合には少々窮屈だ、などとそんなことを考えながら玄関前に着く。
「イグニス運転お疲れ様。
少し上がっていく?」
「いや、そうしたいのは山々なんだがもう時間も遅いしな…
グレイスも学校の宿題なんかもあるだろう?
今日はここで失礼するよ」