【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第10章 初挑戦
「あぁ、初めてなのに本当に上手に出来たな。
これならノクトもきっと喜んでくれるんじゃないか? 今から持っていってやろう」
そう言ってオレは名残り惜しいながらもグレイスの頭に乗せていた手を離し、クッキーを皿に移し始める。
「うん! ニンジンへの苦手感が減るきっかけになるといいね」
グレイスの明るい声を聞きながら、二人並んでノクトの部屋へと向かう。
タイミングよく部屋にいたノクトにクッキーを勧めてみると、
最初はニンジン入りということに躊躇していたが、一口食べてみると匂いも味も気にならなかったようで「美味しい」と喜んで食べてくれた。
その様子を見たグレイスもまた嬉しそうにオレの手を握りながら「やったね、イギー!」と楽しげな声をあげた。
そんな微笑ましい二人の様子を、オレは彼らの兄として見つめていた。