第3章 迷走
(悪いが、俺の強さを証明するために出てもらうぜ)
このガラルに君臨するダンデというチャンピオンは、絶対に自分が倒すと決めている。そのためならばキバナは、目の前でダンデに期待されている彼女をなんとしてでも出場させようと決めていた。
そんなことをキバナから思われているとは、は露ほどにも思っていなかった。緊張しながら食べたキッシュの味はわからず、こちらをジッと見てくるキバナにドキドキしていた。
「あ、あの〜キバナ様。私そろそろポケモンたちにご飯をあげたいんですが(このままじゃ本当に心臓爆発しちゃう///)」
「! お、おーそうか。つーかそれだけで足りたのか?」
「全然(キバナ様で)足りてますので大丈夫です!」
は席を立ち、会計をしようとレジカウンターに向かった。
「なぁ、本当に出る気はねぇのか?」
「!」
突然後ろからキバナに話しかけられ、はビックリして歩きかけた足を止めて振り返った。
そして振り返ったことを後悔したとはキバナを見て思った。
キバナはまだ椅子に座ったままだったがこちらを見る瞳は、今まで動画でしか見たことがないキバナの鋭い目だった。
「っ・・・!」
はビクリと体を震わせた。
そして心がフルフルと震える感覚がして、頭の中で危険だと感じた。
それなのに、目の前にいる憧れの男からバトルがしたいと目で強く訴えかけられて、は思った。
(バトル、したい・・・キバナさんと戦ってみたい・・・!)
あんなにもうバトルはしないと決めたのに、押さえつけて来た自分の欲求が顔を出してくるしい。
「(もうちょっと押してみるか?)俺に勝てたらこの俺さまの初代超レアリーグカード、やるぜ?」
キバナは自分の財布からスッとカードを出し、に見えるようにかざした。
(ローズさんに言われて探したけどよぉ、本当にこれで出るのか?)
「は?出ます!」
「え?」
「出ます」
(キバナ様の初代レアリーグカードって!!!チラッと見えたけどショタキバナ様だったああああああ///どんな手を使ってでも勝ち取りに行くわ!!)
(・・・ちょろ過ぎて逆に怖ぇ)
こうしてはチャンピオンカップに出場することとなった。