第8章 ジム巡り②
「ラグラージ、まもる!」
「カラマネロ、サイコカッター!」
の指示で、ラグラージは自分の周りに薄い膜のようなものを張った。カラマネロは自身の腕をラグラージに振りかざすと、そこからショッキングピンクの色をした三日月が飛び出してきた。サイコカッターはラグラージのまもるに当たったが、バチンと大きな音をたてて相殺された。
「次行くよ!地震!」
「ならこちらはイカサマ!」
ラグラージはすぐに足をフィールドに思い切り踏みつけると、大きな揺れがスパイクジム全体に響き、グラグラする現場に見ていたネズのサポーターたちが何かに捕まろうと慌てた。
一番近くにいたカラマネロも大きな揺れとダメージに顔を歪めたが、すぐに地震を浮かせてラグラージに襲いかかってきた。
「防いで、ラグラージ!」
「ラグゥ!!」
向かってきたカラマネロの攻撃を、ラグラージは咄嗟に両腕を前に持ってきて防いだが、イカサマの効果は地震のせいで大きくなり、ラグラージは後ろへ弾き飛ばされてしまった。
しかしすぐに体制を整えると、ギッとカラマネロを睨みつけた。
「だったら…ラグラージ、冷凍ビーム!」
ラグラージは口をカパッと開くと、凍えたビームをカラマネロに打ち出した。
「サイコカッターで迎え撃つのです!」
「ネェロ!」
打ち出された冷凍ビームを、カラマネロはサイコカッターを使って当てると、二つの技は当たるや否や、大きく軌道を逸らして観客席の手前を凍らせ、レフリー側には跳ね返ったサイコカッターはバシッと地面に当たって砕けた。
「まだまだ!冷凍ビーム!!」
「こちらも連続でサイコカッター!!!」
弾かれた技はあちらこちらに飛び、スタジアムは次第に氷に覆われ出し、サイコカッターはどこかに当たる度に煙をあげ、観客席側は視界が悪くなり「何も見えないぞー!」と誰かの叫ぶ声が聞こえた。