第7章 友達
エレズンは恐る恐るの顔を見上げ、コクリと頷いた。
やや緊張した面持ちだったが、フワフワと漂っているドラパルトやドラメシアたちを見て、興味が沸いていたようだった。
はエレズンを抱えて立ち上がり、ドラパルトの後頭部にそっとエレズンを乗せた。エレズンはドラパルトの横に飛び出している角の穴に指を潜り込ませ、ギュッと指に力を込めた。
「手、離すよ?」
はドキドキしながらエレズンの体から手を離すと、ドラパルトはエレズンが座りやすいように背中を丸めてくれた。
フワフワと浮くドラパルトは、エレズンが背中に乗ったことを確認すると、ダンデの顔を見て頷いた。
「飛ばしすぎるなよ!」
「ルッパァアア!」
ダンデの声と共にドラパルトは空高く舞い上がった。
大空に飛び立っていく二匹を、は眩しそうに見上げた。
あっという間にいなくなってしまった二匹に、はダンデを見た。
「行っちゃいましたね」
「飛ばすなって言ったんだが…久しぶりの外で浮かれているのかもしれない」
申し訳なさそうな、苦笑いで言うダンデにも苦笑いで返した。
「そう言えば君のエレズン、どう育てるんだ?」
場の空気を変えようと、ダンデは気になっていたことをに聞いた。
は手を組み、うーんと悩みながら答えた。
「まだ考えてます、ストリンダーに進化するまでは新しい技も覚えませんから」
「俺も育てたことがないが、ストリンダーを持ってるトレーナーとは何回か戦ったことある。音技に特化していて中々手強いな」
「特にオーバードライブ、ばくおんぱは威力もあれば、相手が身代わりを使っていても貫通しますからね!それとバークアウトで相手の特攻を下げるのもいいと思いませんか?」
は目をキラキラ輝かせながらダンデに尋ねた。
ダンデはそんなワクワクした様子が隠せないの姿に、自分も気分が高揚しているのがわかった。フルバトルがしたいという気持ちがズクズクと自分の中を疼きまわり、ダンデは彼女に気付かれるよう手を後ろに回しギュッと握りしめた。