第7章 友達
「しっかり狙えよ、ドラパルト!ドラゴンアローだ!!」
ドラパルトは二匹のドラメシアをゲンガーに向かって発射した。二匹のドラメシアは勢いよくドラパルトから飛び出し、飛び上がっているゲンガーに迫った。
「マジカルシャイン!!!」
はドラメシアたちを防ぐため、両手をあげたゲンガーの手がキラキラと輝き始めた。そして下から登り上がってくるドラメシアに手を振りかざすと、ドラメシアたちはあまりの眩しさとフェアリー技に怯み、ゲンガーから大きく起動が逸れた。
「そのまま勢いをつけてシャドーボール!!」
ゲンガーは手にシャドーボールを作りながら、落下の勢いを利用してドラパルトに迫った。
「こっちもシャドーボールだっ!」
ダンデもすかさず指示を飛ばし、ドラパルトもシャドーボールを作り出した。
二匹から放たれたシャドーボールがぶつかり、またしても林に大きな音を響かせた。
爆風に飛ばされたゲンガーは、フワリと宙で一回転してみせ、地面に足をついた。同じく爆風に飛ばされたドラパルトも、少し後ろに下がったが、ダメージを負った様子はない。
(やっぱりマジカルシャインを覚えていたか…シャドークローも俺のドラパルトは接近戦には向いていないから近付きにくい…しかもどの技も効果抜群ばかり、いい技の構成だ)
ダンデは目を細め、フッと笑った。
「まだ行けるか、ドラパルト?」
「ルァアアア!!」
「ドラメシアたちも戻ってきたな!行くぞ!!」
ダンデの掛け声と共にドラパルトは素早くあちこちに動き回り、ゲンガーは狙いをさだめようとするが、早すぎて目で追えないでいた。
「ゲ、ゲン…」
「ゲンガー!落ち着いて!」
自分より素早く動けるドラパルトに、ゲンガーは少し怖気付いたが、はすかさず声をかけ、自分もドラパルトの動きを目で追った。
(どうする、私ならどう攻撃を仕掛けようとする…)
はダンデを見ると、ダンデと目がバッチリ合い、その瞬間全ての音が消えた…気がした。
「ドラゴンアロー!!」
「っ…シャドークロー!!!」
音はすぐに戻り、はダンデの次の指示が聞こえたと同時にゲンガーに指示を出した。