第77章 ふたり 一人独り 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
覚せい剤とかそう言った類の薬は
基本的に静脈に注射するのが
一番効果が早いし 強く出る
でも 河田が言う通りに
注射器で同じ場所を刺すから
その場所がタコの様に硬くなるから
針がそこに入らなくなって
同じ場所には何度も刺せなくなる
今は そうするよりも
ライトに楽しめる様に
電子タバコに溶かして使うのが
一般的な使用法らしいけど
トントンと河田が
みくりの肘の内側の
静脈のある辺りを指差して来て
「やっぱりさ、静脈にってなるとね?
相手が暴れたりしたら、危ないじゃない?
針がぐいって曲がったりとかするじゃん。
人数がいたら、押さえればいいけどね」
ーー
ーー
ーー
「と言う感じなのですが…」
そうしのぶが
みくりに持たせている
盗聴器の音声を悲鳴嶼に聞かせる
「そうか、中に居る女性が危険だ…。
突入の時刻を早めるとしよう。
その音声のデータを頂きたいのですが」
「ええ、勿論です」
「先ほどの発言の内容からして、
他の余罪が多々ありそうだ」
ーー
ーー
ーー
「だから、今はさ、便利なのがあるんだよ。
わざわざ静脈打たなくていいヤツ。
針も細いから、跡も残らないし。
身体中どこにだって使えるからさ。
でも専用のポンプで、普通のより割高でさ。
でも、やっぱり吸うよりいいからさ」
そうか だから…ここなのか
会員制のクラブ
お金持ちが集まる場所で
薬の取引をしてた…って事?
「苦労したんだよ?俺…。
折角阪大の奴らそそのかしてさぁ?
いい商売してたのに、
余計な事してくれちゃってさ。
大変だったんだよ~、その後
新しい場所を用意する準備とかね?
だから、アンタが悪い訳じゃなくって。
恨むんだったら、あの男を恨みなよ?」
河田が後ろ手に隠していた
アレルギーのショック時に
自己注射として使用する様な
薬液を自動で注入するペン型の
注射器を上からこちらに振り下ろして来て
みくりが伸ばした手で
掴んだバックでその針先を受け止める
刺したら 自動で注入されるから
バックが薬液で濡れて行く
「た、確かに、この形にするのは
お金がッ掛かりそう…ですね?河田さん」
ヒュンとバックベルトを持って
思い切りバックをスイングさせて
そのまま 河田の首に打ち付けて振り抜く
「ぐぁあっ…!!」
