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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第17章 夏の空の落とし物 前編 お相手:竈門炭治郎


みくりさんからする
みくりさん自身の匂いと

別の匂いが混ざってみくりさんからする

「わかってるわよ、それぐらい。
だったら、おばさんは、私と炭治郎が
祭り楽しんでるの、指咥えて見てなさいよ!」

そう嫌味ぽい口調で
言ったかと思っていたら

ニコッとこっちを見て笑って


それから 開かれた両目が
普段の琥珀色ではなくて

青かったから

それに匂いや纏って居る空気が

みくりさんとは別人になっていて


でも この匂い知ってる
嗅いだことある……な


「君は…、あの時、あの墓地に居た……」

「炭治郎、嬉しいっ。覚えててくれたんだ。
あの時も、私が居なくなったって心配して
探してくれたでしょ?
私、……嬉しかったの。だって」

「説明してもらえると、嬉しいんだけど。
君は、みくりさんじゃないよね?」

顔も 体も確かに
みくりさんの物だけども

声のトーンや喋り方が違うと
同じ身体 つまり喉なのだから
同じ声質のはずなのに
まるで別人の様に聞こえる


それから 夏祭りのある
八幡神社まで ふたりで歩きながら

説明を聞いた


彼女の名前は
長谷部 美空(はせべ みそら)

亡くなったのは去年の夏

風に飛ばされた 帽子を川に取りに入って
そのまま溺れたらしい

本人がそう 言っていた


彼女の夢は素敵な男性と
ひと夏の恋を成就させて

その男性と結婚したかったらしいが

死んでしまって
それ流石に叶わないと思ったらしく

結婚は無理でも せめて

俺と……夏の思い出が欲しいと

そう言う 話だった


それが目的で
俺に憑りついたのは良いが

俺には美空の声も聞こえないし
姿も見えないから 困っていたらしい
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