第7章 su casa
ー穂波sideー
「研磨、いろいろできそうだね、それでも」
なにが一体どうなって研磨くんがあんなにスケボー上手なのかわかんないけど、
オーリーもすぐに3センチくらい浮いてたし、
ウォールスライドも難なくできそうだった。
『もうちょっとよくわかんないよ。ウィール柔らかいのに』
「…カズマがうまいからじゃない」
『そのカズくんにわたしもずっと教わってる……』
「…笑 そっか、そうだね。 ウィールの硬さがどう関係するの?摩擦?」
「うん、ウィール柔らかいと摩擦強くなるから、滑りが悪いっていうか。
だからまぁ、そういうトリックはできないんだけど。
普通にオーリーとかはできるよ、でも、硬いのよりはやっぱやりにくいらしいよ。
おれも、そんな気にならないけど」
「音も柔らかくてすきかも」
『うん、音、違うよね。わたしもどっちもすき』
「…笑」
「どっちもすきなら今言わなくていいのに」
『カズくんひどい。だってスケボーの音、好きなんだもん』
それにしても。
研磨くんのスケボー姿たまんない。
プッシュしてるだけで尊かった。
「夕飯どっかで食べてこ」
『うん!せっかくだしこの辺りで食べてこっか』
「ピザ食べたい」
「ピザいいね」
「なんか、前なら帰って穂波のご飯って思ってたけど」
「一緒に住むし、とか。でも一緒に住んだら、それはそれで穂波のご飯ってなりそう」
「研磨ずるいし」
「いやそれカズマが言うことじゃない」
『…ふふ 大好きな人の毎日のご飯を作れるのは嬉しいな』
「すきな人のご飯が毎日食べれるのとか最高。特に朝ごはん」
「カズマうざい」
「は?研磨に言われたくないし。ていうかいきなりなんで喧嘩腰なわけ」
「…別に、喧嘩腰じゃないけど」
愛おしくて、少しくすぐったいような2人の会話を
心地よく耳に入れながらどこが良いかなぁって考える。
ピザ屋さん。公園のすぐ近くにイタリアンのお店があったはず。
わくわく。