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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第17章 正体


ー影山sideー









パソコンに向かって何かやってる穂波さんは眼鏡をかけてて。
いつもと違う感じになんか、胸んとこがぐっときた。

集中してやってるみたいだったし、
俺はボール触りながら、身体をほぐしながら時間を潰す。










『…影山くん、お待たせ』

「あ、もういいんすか?」

『うん、ひとまずは。
また後で一人であれこれしてると思うけど気にせずにいてね』

「…はい」

『じゃあちょっと身体伸ばそ』











それから穂波さんは、
移動するとこの辺疲れない?とか言って
疲れが溜まってるとこをどんぴしゃにあててきて、
そこを伸ばしてくれたり、
ストレッチを終えるとマッサージをしてくれた。

頭がずっとぼーっとしてたし、
頭に近いとこに乳酸が溜まってる感じがすげーあった。
とにかく首とかがだるいっつーか。

そういうのがびっくりするくらい、消えた。










『あとはお水、いっぱい飲んで、今ほぐれて流れたのをちゃんと出しきる』

「ぅす」

『でもお腹すいたからご飯の支度しちゃうね』

「…あ、」

『ん?』

「一緒に台所、立たせてもらっても…」

『………』

「………」









穂波さんにとって神聖な場所かもしんねーよなと思うと
次の言葉が出てこなくなった。








『いいですよ、是非。 立ってると、使っちゃうけど、いいですか?』

「はい!」

『ふふ… 先行ってるね。 ぼちぼちね』




















『今日はね、あとは温めてよそってってするだけなんだ。
また明日から時間が合う時とか一緒に作れたら作ろうね?』

「はい。 …すげーうまそうっす」

『あ、それじゃあね、冷蔵庫に三つ重ねて入ってる容器があるの。
それを出してもらってもいい?』

「あ、はい」








火にかけた鍋の中身をくるくる混ぜながら穂波さんが言う。
人を使う、ってことをこんなに自然に嫌味なくできるってすげーよな。

そもそも人を使ってんじゃなくて、
一緒にやろって、手伝ってーってただそんな感じだからか。

さっきはそれをあえて、使うって言っただけで。










なんなんだろうな… こういう時に自分が感じてる感情は。











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