第66章 秘めないヒメゴト ※R-18
よしよしと頭を撫でていた手が
あげはの頬をスルスルと撫でて来て
そのまま ギュッと抱きしめられる
「春日の言って居た、仕立て屋までは
風呂から上がって用意が整った頃に、
馬車が迎えに来るように頼んであるからな。
春日も君と2人で
外出が出来ると、喜んでいたぞ?」
「ええっ、ばっ、馬車にありますか?」
「ああ、さっきの馬車での事を
思い出してしまいそうか?
安心してくれていいぞ?さっきの馬車は
あっちで頼んだからな、
こっちではまぁ彼には出会う事は無いと思うぞ?」
ああ そうか そうだな
さっきの馬車の御者が来たらと
ドキドキしてしまったが
千城から依頼して貰って用意させたんだったら
あっちの馬車だもんね
あの御者さんが来る事は無いか
それから しばらく杏寿郎と
布団の上で他愛のない会話をして
一緒に入ろうと杏寿郎に言われて
お風呂場に向かうと
脱衣場のカゴの中に
キチンと替えの下着まで用意をして貰っていて
部屋から 軽く羽織っただけの
襦袢を杏寿郎が脱がせてくる
人は払ってあるが
ちゃんと屋敷での仕事はしてくれていて
何だか申し訳ない気持ちになってしまうが
「結婚したら…、今みたいに
人は払わなくていいだろう?
毎日、毎日、こんな風に
屋敷の者に仕事をさせるのは
俺とて忍びないからな」
夫婦としての その営みを
屋敷の使用人さん達に…と思うと
いや もう既にばっちりと聞かれてるんだけども
杏寿郎の言う事は最もであるのだが
お屋敷の使用人なのだから
主人の床の事なんて日常なのだから
時代が時代で将軍様だったりしたら
監視役が見てる所で致すのだから
それに比べたら…全然 それ位…ッ
何ともな…くは ない…な