第62章 結納編 朝
おはようございますとあげはが
改めてそれでいて丁寧に
槇寿郎と千寿郎に対して朝の挨拶をすると
「まぁ、それはいい。あげは。
望月が色々とお前等に要らん世話を
したのは聞いているからな」
「いえ、使用人として
当然の事を私はしたまでにございます。
主様。主様が御心配なさっておいでに
あられましたので」
「望月」
「すいません、主様。口が過ぎておりました」
槇寿郎の言葉に自分だけの判断で
あれをしたのではないと言いたげに望月が言って
要らん世話と言われた事に対しての反論をする
その望月の発言に対して
釘を刺すようにして槇寿郎が圧を込めて
望月の名を呼ぶと
謝罪の言葉を述べて望月が頭を下げた
朝食を済ませると
すぐに出られる様に馬車を手配してくれていて
迎えの馬車が来ていると伝えられた
着付けも向こうで控室を用意して貰ってるから
私の着付けと化粧だけでなく
杏寿郎 槇寿郎 千寿郎の3人も
三好小母さんの店である渋谷の
すき焼きと牛鍋の店である千城で支度を
整えると言う事だったので
準備はあちらでとは言えども
凄い時間に余裕がある時間に
それ以上の説明もなくそのまま
3人の後を追うようにして馬車に乗り込んで
煉獄家の使用人に見送られて
結納の会場である千城を目指して
馬車で煉獄家を出発した
世田谷からなので渋谷までは
馬車であれば知れている距離だが
その知れている距離を
馬車で移動するのはいいが
結納は食事会を兼ねるだろうし
そんなに早くから
あの店が営業してるとも思えないし
どうにも 出発の時刻が
早過ぎる様な気がするが
朝食を済ませてたらすぐにでもと言う
望月さんと清水さんと一条さんの圧が凄くて
有無を言わさずに馬車の詰め込まれた様な
そんな気分だったのだが
ちらっと
あげはが自分の周囲に視線を
一周させると
自分の隣には杏寿郎
向かいの席には
槇寿郎と千寿郎が座って居て
三方から取り囲まれでもしてる気分だ