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し ん あ い【鬼滅の刃/煉獄/R18】

第8章 気持ち




~夢主side~


まさかここに杏寿郎がいるなんて思わなかった。

そして、百瀬さんも……
隣にいるし、近いし…
あ、ほら。今だって……手拭いてもらってるし…

やだ、私以外の女の子に簡単に触らせないで…



席に着いてからも向こうが気になって仕方なかった。


すぐに注文を取りに玄弥くんが来た。

「あ!やだ、玄弥くん♡久しぶりに~、相変わらずかっこいいね~♡」

かっこいいと言われ、頬を赤らめる玄弥くん。
それを見た駿くんが割ってはいる。

「お前なー、仮にも彼氏の前なんだから控えろよ」

「えー?これとそれは別腹ですよ~?だいたい駿だってこの間デートしてるときすれ違ったお姉さん見てたじゃん!」

喧嘩じゃないけど、ちょっとした言い争いが始まった。

「なんか…いいな、そういうの…はっきり、やきもち妬いてるって言えて…」

咄嗟にぽろっと出てしまった。
それを聞いた綾ちゃんが私を覗き込んで来る。

「陽奈子、どしたー?なんかあった…?」

綾ちゃんに相談してみよう…この間あった話を全部話してみる。

すると自分でもびっくりするくらい嫉妬心剥き出しで、怒るように話していた。勢いでカッと熱くなった身体を冷ますように、近くにあったグラスを手に取り一気に飲み干した。


全部話終わると、綾ちゃんが反対の席へ視線を向ける。

「なるほどねー。そりゃあの女が悪いね!って、あれ、いいの!?めちゃくちゃ近いけど距離が!!いくら酒の席とはいえ、あれは絶対彼女持ちにしちゃだめでしょ!?あんの女…」

綾ちゃんと同じ方向を見るとまた見たくない光景が…
恐らく手の大きさを比べてるのだろうか…杏寿郎の手に百瀬さんの手が重なって………
じわりと悲しみが込み上げて、同時にまた身体がカッと熱くなる。

あれ…?なんか…ふわふわする…?


「陽奈子…?え、大丈夫!?もしかしてこれ飲んだ?」

蒼ちゃんが空になったグラスを目の前に出す。

「ぅん?じゅーすじゃ…ない、のっ?」

「それ、俺のグレープサワーだよ!酒だよ、酒!大丈夫か?顔真っ赤だぞ!?」

蒼ちゃんの両手が私の顔を包み込む。少し冷たい手が気持ちいい…

「ん…蒼ちゃ……手、きもち…い。」

蒼ちゃんの顔が…近い……



そう呟くと同時に身体が宙に浮いた気がした。


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