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【グノーシア】【短編集】宇宙を漂う船の中で

第3章 目は口ほどに物を言う【ラキオ】


議論が終わり、眠ったのは喋りすぎでうるさいと指摘された夕里子。
私も目立ちがちだから気をつけなくては。
夜のロビーにて、昨日と同じメンバーで話をしている。
「そういえば、ツバサさんはラキオさんとどうやって仲良くなったのですか?」
「確かに、ラキオさんは、あんまり、他人と仲良く……してなさそうですし」
サラッと失礼なことを言うレムナン。当たっているので反論は出来ない。
「え?んーと、どうだったっけな……」
ラキオと仲良くなった頃のことを思い出そうとするツバサ。
口元に手を当てて考えるポーズをした後、あっと声をあげた。
どうやら思い出したようだ。
「えっと、たまたまLABに立ち寄ったらラキオがいて、実験手伝ってあげたときからだと思うな」
「実験、ですか」
「うん。終わったら飴くれたんだ〜。多分そこから仲良くなったんだと思う。今も実験手伝うことあるし」
「キュ!ラキオさんやっぱりやさしいのです!」
「ラキオが、飴……」
全く想像できない。ツバサが実験を手伝ったというのは容易に想像できるが、ラキオがツバサに優しくしているのだろうか?しかも飴あげてる飴。
失礼だとわかっていてもそう考えずには居られない。
ラキオの意外な一面が分かった。
確かに、彼女はラキオと同じでロジックが高いし、ラキオも気に入りそうだ。
ただ、ラキオと違う面といったらかわいげ、カリスマ、ステルスが高いことだろう。
強化版ラキオといった感じだろうか。
「ツバサ」
と、先程まではなかったはずの声。
「あ、ラキオ。どうかした?」
「どうかしたじゃない。なに無駄話をしているンだい?さっさとLABに来て僕の実験を手伝ってもらおうか」
「はーい、分かったよ。ごめんね、また生きてたら明日ね」
そう言って、ツバサはスタスタとラキオの後ろについて行く。
やはりツバサの話は全く想像できないが仲がいいのは本当のようだ。
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