第45章 君へ捧げるレクイエム【呪術廻戦0】
「家入さんに連絡しますか?」
「いや……別のヤツを呼ぶ」
そうだろうな。彼女も夏油の同期だ。遺体を処理させるのは心苦しい。
「ねぇ、星也。星也は傑のこと、どう思ってた?」
「……難しいことを聞きますね」
夏油のことを考えると、「複雑だ」が正直な答えだ。
彼のやったことを考えれば到底 許されることではないし、非術師を皆殺しにするという考えも異常だと言わざるを得ない。
それでも……。
「尊敬していましたよ。今も、昔も……」
どれだけ異常でも、許されない方法だったとしても……。
『大義』――……彼にとっては、それが唯一で最善の方法だった。
弱者から強者を守るため。
彼の選んだ、大切な人たちの守り方。
きっとこれからも、共感や理解はできても、肯定はできない。
それでも、自分の彼への尊敬の念は、一生 消えることはないだろう。
* * *