第34章 皆と過ごすディヴェルティメントな日々
「ん、分かった。すぐ行く?」
「うん。できれば……」
「準備するから、先に行って待ってて」
そう言って、詞織は一度 自分の部屋に向かって行った。
「なぁ、伏黒。俺らも体術の稽古しねぇ?」
「いいぞ。ちょうど苛ついてるし」
それ、絶対 僕のせいだよね。ほんとゴメン。
「おい、吉野」
「なに?」
不意に名前を呼ばれて返事をすると、黒い瞳に嫉妬を募らせる伏黒と目が合った。
「勘違いするなよ。詞織にちょっかい出したら、死なない程度に殺す」
「……はい」
元ヤンの嫉妬コワイ。
なんか、同級生が怖くて泣きそう。
なんで怒ってんだ? と能天気な虎杖が少し羨ましかった。
* * *