第3章 三夜目.トライアングラー
いよいよ、その時がやってくる。三月は、辛かったらすぐに教えてくれと言ってから、少しずつ体重をかけた。
経験したことのない、他人が自分の中に入ってくる感覚。丁寧な前戯のおかけで、痛みはなかったが不思議な感覚であった。
しかし。固く閉じていた瞳を薄く開け、目前にある三月の表情を見た瞬間、エリの胸は幸福で満たされた。
「 —— っ、エリ」
愛しい人にこんな顔をさせているのが自分なのだと自覚して、一気に感情が高まった。
三月の背中に腕を回し、体をこちらに引き寄せる。すると、彼の分身は全て中へと収まった。
『っ、あ…!あっ、ん』
「や、ばいな…、コレ。気持ち…っ」
三月は低く呻くと、ようやく少しずつ動き始める。体の中を弄られる感触に、エリは耐えられず喘ぎを零す。強過ぎる圧迫感は、三月が陰核に触れることで掻き消された。
『やっ、三月ぃ、そこ…!ひぁ…っ!!』
「ぅ…!っ、」
遠慮なく締め付けられる中に、三月も一気に快感が上がって来るのを感じた。ゆるゆると腰を前後しながら、頬に、瞼に、キスを落としてくれる。
「は…っ、エリ…好きだ、大好きだ…っ」
『っ、み、つきぃ…っ!ふ ぅ、…!あぁっ』
「…なぁ、エリ…っ。オレの声、ちゃんと聞こえてる?オレの気持ち、あんたにちゃんと届いてるか?
本当に…もう、どうしようもないくらい…愛してるんだ」
彼の想いは、確かにしっかりと届いていた。エリは首をこくこく動かして、三月をぎゅっと抱きしめる。
『私、もっ…好き、三月…!大好きっ』
「っ、!!」
耳元で愛の言葉を受け取った三月は、急激に限界が早まったことを感じる。しかしなんとかその波を押し戻して、エリへの愛撫に努めた。
『み、三月、私…っ、なんか、ここが熱いっ!頭がおかしく、なりそっ』
「っ、く…、エリ、そのまま…気持ち良くなって…一緒に…っ。オレももう、限界だから…」
三月は歯を食いしばりながら、今までよりも激しく腰を打ち付ける。
『!?っあ!あぁっ、や、三月…っ!!』
「っ、エリ…!イ、ク!」
二人は、互いの身体を強く抱き締めながら同時に達した。