第20章 日常生活と初任務
〖事故ですか?救急ですか?〗
『鬼殺隊です。負傷者の搬送をお願いします。』
〖分かりました。場所はどこですか?〗
『鬼滅学園の中庭です。』
〖それでは、10分程で着きますので人払いをお願いします。〗
『はい。』
桜雪はそう言うと立ち尽くしていた炭治郎達に人払いをお願いした。
実弥は苦しそうに呼吸で痛みを暖和しているようだ。
しばらくして黒い服に身を包んでいる人達が来た。
『お久しぶりですね。酒柱さま…』
『え?佐藤?佐藤汰月?』
『はい。早く…風柱さまを…』
桜雪は再会を果たしたが、まずは実弥を治療しなくてはいけない。
鬼殺隊専用の救急車に実弥をストレッチャーに乗せて運ぶ。
実弥は大量出血による貧血、内蔵損傷により入院する事になった。
『ねぇ…実弥…鬼舞辻無惨に会った…』
『はァっ!?…いっ…っぅ…』
目を覚ました実弥に桜雪は言った。
思わず、大声を出して腹に力が入って顔を歪める実弥。
『アイツ…知ってた…あたし達が付き合ってること…知ってて…実弥を殺そうとしたんだ…』
桜雪は泣きながら言った。
『泣くなァ…今はあの時と違って医療も発展してる。簡単に死にはしねェよ…』
『うん…』
桜雪はまだ泣いている。
『だから…泣くなァ…』
『うん…ごめん…涙が止まらなくて…』
『あ~~~…ったくよォ…』
実弥は体を起こして桜雪を抱きしめた。
『こうしてりゃいいだろォ?俺はここにいる…頼むからもう泣くなァ…犯したくなる…』
『はぁ?』
『お前の泣き顔みてると…シてるときの顔を思い出してムラっとくるんだァ…だから泣くな。』
『何その斬新な慰め方…』
『別にいいだろうがァ…今泣き止んでるしなァ…』
実弥は桜雪にキスを繰り返した。