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悪い大人に捕まりました【進撃/リヴァイ】

第2章 突然のキス





私たちの奇妙な日常は相変わらず続いた。

顔を合わせるのは決まって屋上。

大抵は昼休みに。


先生は私の前で悠々と煙草を吸い、私は次第にそれが当たり前になっていた。


感化されているのか何なのかは定かではないが、先生の歪んだ性格も口の悪さも、真っ当な大人とは正反対のその姿に私はどこか安心できるものがあった。



そしてそれから少し経った頃。


夏本番にはまだ早い、六月も終わりに近い良く晴れた日。


その日は連日の梅雨空が一旦顔を隠して、久々にカラッとした空気の暑さだった。


太陽光の降り注ぐフェンス越しは避け、ドア周辺の目陰に腰を下ろしていた私たち。


コンクリート壁の構造は雨や日差しを避けるには最適だった。



「クッソあっちいな毎日毎日。雨が上がったと思ったら途端にこれだ」



煙草を片手に空を見上げ、私の隣で悪態を吐く先生。


その文句が余計に暑苦しく、私は先生から顔を背けて壁に凭れ掛かった。



「うるさいですよ、我慢してくださいよ大人なんだから。そんな言うなら職員室戻ればいいじゃないですか。ここって校内で一番太陽に近いですよ」



おとなしく職員室にいれば空調だって効いている。


それにも拘らず敢えてここに足を運ぶとは、この人は余程禁煙に耐えられないらしい。


適当に持ってきたノートで顔を仰扇ぎながら私が言い放つと、先生は私の方を向いてノートを引っ手繰った。


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