第24章 凄惨と合流
「回復した人からここを離れて下さい。ここは足場も悪く狭い……大人数で闘うには不向きです。ここは私たちに任せ、貴方たちは鬼舞辻の回復の糧となり得る鬼の殲滅を願います。貴方たちが頼りです、一緒に……生きて帰りましょうね」
ニコリと微笑みながら自分の止血を行う更紗の言葉を剣士たちは呆然と聞いていたが、珠世を守ってくれていた剣士が1番に動き出し、床に広げられた更紗の羽織を拾い上げて珠世を腕に抱えた。
「この人……鬼は俺が責任持って預かる。月神……紫炎柱様の血は太陽を克服させるかもしれないから、後回しにしたんですよね?それならば俺たちが血を与えて回復させます。この中の鬼を倒していくうちに嫌でも傷が出来るでしょうから……一石二鳥です」
真剣な表情、丁寧な言葉遣い。
言った言葉を必ず実行してくれると確信出来る要素が全て詰まっている。
胸が痛くなるような言葉だが、今はそれに縋るしか更紗に与えられた選択肢はない。
「私の不始末を肩代わりさせてしまい……申し訳ございません。代わりにこれをお持ち下さい。絶対無理はしないこと、そして鎹鴉に愈史郎様と連絡を取ってもらい、珠世様の事を伝えて……きっと鬼専用の治療薬を持っているはずですから」