第21章 秘密と葛藤
「かしこまりました。しかしながら、私の継子になりたいと思う人はいるのでしょうか?私、剣士の方々の間で阿修羅と呼ばれているようですし……」
杏寿郎を除いたこの場にいる全員が凍りつき固まった。
それが今言った言葉が事実であると如実に語っているが、なぜかこんな空気にしたことに罪悪感が湧き、更紗は慌てて取り繕った。
「あ、その!皆さんを責めているとかそう言うのではなくて……ただ純粋に怖いと思ってる人の所に好き好んで身を寄せるのかなぁ?と思っただけでして。それに阿修羅は阿修羅でも、仏と思しき……とついていますので、そんなに落ち込んではいないのですよ!」
この中に噂の立役者はいないが、噂を聞き更紗を恐れていた剣士もいるようで……気まずそうに冷や汗を流している者がいる。
その中でも噂を一蹴していた2人、炭治郎と圭太は更紗へと笑顔を向けてくれた。
「更紗は闘う時に雰囲気がガラッと変わるから、剣士が驚いただけだ!本気で阿修羅なんて思っていないよ!」
「そうそう!それにその噂立てられ始めたの、不死川さんのところでだろ?俺はまだ不死川さんの稽古受けてないけど……柱相手に無限打ち込みなんてさせられたら、誰でも鬼気迫る表情になると思うよ?それに月神が受け入れてくれるなら、俺は月神の継子になりたいけど」