第20章 柱稽古とお館様
柱として柱稽古には参加していないが、更紗も臨時柱合会議に参加することとなった。
天元の所は基礎体力の向上のための走り込みだったので、無事に剣士たち全員が突破したらしい。
それに続き比較的突破率が高いのは杏寿郎、蜜璃、義勇、あとは自己で突破するかしないかを決める行冥の稽古だった。
突破率の悪いのは予想通り実弥、小芭内、無一郎の稽古。
しかも実弥に至っては炭治郎といざこざを起こし、互いに接触禁止を言い渡されたとのことだ。
(実弥さんも炭治郎さんも無闇矢鱈と怒らないはずなのに、何があったのでしょうか?杏寿郎君も平静を装っていますが……冷や汗流れてます)
話し終わった実弥をこっそり伺うが、更紗の視線を感じ取ったのかすぐに目が合った。
(やっぱり今は怒ってらっしゃらない。ちょっとしたことが原因だったのかな?)
心の中の自問自答から無意識に首を傾げていると、実弥は声を出さずに口だけ動かして更紗に伝えだした。
『あとでな』
どうやら会議が終わったら教えて貰えるようだ。
聞いていいものか迷ったが、実弥自身がそう言っているのだから、後ほど杏寿郎と共に諍いの原因を聞くという意味を込め小さく頷き返す。