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2人の監督生

第8章 〇〇しないと出れない部屋


「男のボクに……可愛いだって?」

「あっ…!いや、あの…言葉の綾と言いますか…」

「ふ……そんなに慌てなくても大丈夫だよ。」

ついついもちもちほっぺたを触って気が抜けてしまい、可愛いと言った私にリドルが反応する。可愛いはやっぱり地雷だっただろうか…と慌ててほっぺから手を離すと、そっと私の手に重ねた。まるでその手を離さないで、と言っているかのようだ。

「言われるの………嫌じゃないんですか?」

「う~…ん。例えばそれがうちの寮生だったとしたら首をはねてしまうところだけど、かなから言われるのは…何故か嫌な気にはならないんだ。」

そうなんだ…きっとそこまで私のことを信頼してくれてるからなんだろうな。ハーツラビュルの寮長にここまで許されているなんて、凄い光栄なことだ……と引き続きぷにぷにと触る。

「………さて、次は僕の番だね。準備はいいかい、かな。」

「はい!どこでもどうぞ。」

「じゃあ、ここを……。」

「えっ……」

リドルならどこに触れられても不快感など感じないだろうと軽く見ていたのがダメだった。なんとリドルは、軽くだが私の唇に手で触れたのだ。びっくりして、バッ、と両手で口を覆えば、リドルはクスクスと笑う。

「リ、リドル先輩…?なんで……」

「ふふ、なんで…?おかしなことを聞くね。」

「え…?」

「好意を持っている女性にいきなりキスをするのは無礼だからね。次の機会に取っておくとしよう。」

呆然としている私にリドルは控えめに笑って部屋から出て行ってしまった。そういう不意打ちが一番ダメなんだってば~~!!と叫び、へたり込んでしまう私であった。
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