第4章 永遠
勝手知ったる翔ちゃんの家。
「おじゃましまーす……」
ほぼ俺専用になってるスリッパをつっかける。
いらっしゃい、とにこやかに先導する翔ちゃんと俺をふわりと纏う香り。
翔ちゃんちに来たなぁ、と思う瞬間だ。
翔ちゃん好みのディフューザーの香りは、今や俺の好きな香りでもある。
「二人だから簡単だけど……ごめんね」
「いーよ、なんでも」
二人でガサガサと持って帰ってきたビニールからいろんなパックを取り出した。
なにせ、料理のできない二人組だから、適当にマネージャーに惣菜をテイクアウトしてきてもらったのである。
誕生日ケーキは、現場で山ほどたべたから、と、翔ちゃんがとっておきのワインをあけてくれた。
俺の好きなチーズや、刺身もならび、ささやかに二人で乾杯した。
いい気分になってきたころ、翔ちゃんは、どこからか、綺麗にラッピングされた包みを持ってきた。
「兄さん……これ。40才おめでとう」
照れたような顔で差し出される。