第51章 もうそろそろ出来る?
「青峰っちとオレ3cmしか変わんないんスから、別によくないっスか?」
『3cm差はでかい』
「ええ!たった3cmっスよ!?」
「3cmはでかいよ~だって、まいう棒がすっごく大きくなるもーん」
『…ほら、紫原もこう言ってるし』
「色々違う気がするのだよ」
どちらかと言うと涼太には抱き付くって言うより抱き付かれる方が慣れちゃってるからなと、なんだか抱き付かれることに慣れていることを認める気がするのでこれも口には出さないでおこうと決意する
今思うと抱き付かれてばかりだなぁと思ってふと大輝の前に立ちジーっと見る
…普段紫原とか緑間と一緒に居るせいか気づかなかったけど、改めて見るとやはり190cm台はでかい
「…何ジッと見てんだよ」
『いやこの大きさが理想なんだなーって』
「意外とお前小せぇな」
『喧嘩売ってる?またスリングブレイドする?』
「やめろ」
全力で首を横に振る大輝にみんなで笑いながらアイスのごみを捨てて帰路を歩き始める
当たった棒はカバンの中に入れたので袋だけ捨てようとゴミを捨て、最後尾を歩き始めると前の方を歩いていた涼太が隣まで下がってくる
「名前っち、髪にゴミついてる」
『え?どこ?』
「止まって」
彼の言われた通り立ち止まると彼の顔が近づいてきて頬に柔らかいものが触れる。唇だった
アイスを食べていたからか冷たいそれが当たってから数秒後、彼は何も言わず離れていく
「これで十分っスわ!勝てたら名前っちからちょーだい!」
『…オウヨ』
「はは!名前っち真っ赤っスよ!」
『うるさいわ』
騙されたという気持ちと説明し難い感情に振り回され、彼の背中を叩く
まあこれで彼が満足したのならいいかと誰も今の出来事に気が付いていないことを願いながら、仲良く歩く彼らの背中を見て微笑んだ