第6章 帝光祭
第3ゲームの借り物競争、知識としてある来年のお題では変なものだったがどうかと征十郎がお題を選ぶのを眺める
「名前、お題はこれだ」
彼がとった紙を広げて見るととても簡単なお題が書かれてあった。「赤い髪の人」だ
むしろこれ征十郎以外に学校に該当者がいるのか?とツッコみたかったがなんとか我慢し、まだ人がいないので暇そうなクイズ研の人を呼ぶ
『すいません。借り物競争じゃなくてあるものでもいいですか、ちょうどここに居て』
「お題は…赤い髪の人ですね!確かに彼氏さんの髪赤いですもんね」
『断じて違います』
「スタンプを押してくれないか?」
「はい!じゃあ、次のゲームにどうぞ!」
そうして次のお題の場所を教えてもらう。たどり着いた先には多目的ホールだった
「これは…」
『お化け屋敷迷路だっけ?』
「名前、お化けは大丈夫かい?」
『がんばります』
目の前に続いているのは薄暗い道。薄気味悪くて好きとは言えなかった
まあでも作り物だしと考えていると急に手を掴まれる
『うわっ』
「よし、行こうか」
『…手をつなぐならちゃんと言ってくれない?びっくりするじゃん』
「ああ、すまないね」
本当に反省しているのか分からないが彼はそのまま進んでいく
暗い中沈黙が生まれたので、彼にふと抱えていた疑問をぶつけてみることにする
『征十郎はペア、あたしじゃなくても良かったんじゃないの?』
「なんでだい?」
『やっぱ男の子同士の方が速いじゃん』
「…オレに男の幼馴染はいないからね」
『あたし達も幼馴染じゃないと思うけどね?』
小学生から幼馴染というのであればたくさんいることになってしまう
ただまだ入学して2か月、ここまで気の許せる人はまだ他にいないかと思い、暗い道を進んでいく