第34章 全中と決意
「第3クオーター終了―!
うわーマジか!謎のパスと青峰無双でみるみる差が開いちまったぞ!」
53対39、リードしているのはもちろん帝光。ここまで知っている通りなので、間違いなく問題はないだろう
相手チームのベンチでは大輝とマッチアップしている片割れが退場にさえできればと考えているのか、タオルで汗を拭いながらこちらを見ている
「退場すんじゃねーぞ」
「わーかってるっスよ!」
だが、監督の指示は大輝と涼太の交代
相手の監督は悔しそうに白金監督を見ているが、当の監督は「退場するまで出しとく訳ないじゃん」と顎に手を添えながらつぶやいていた
「さあ、最後まで油断せずいこう」
「はー…やっとあと8分でお菓子食べれる」
「油断するなと言っているだろう」
始まった第4クオーターもテツヤのパスのおかげか今まで以上にシュートが決まる
試合終了のブザーが鳴ったとき、93対46とダブルスコアで帝光た勝利した
「勝ったのは帝光!!そして、全中2連覇達成ー!!」
「やったっス!!」
「…フゥ」
「これでもう食っていいっしょ~おかし。てか食うー!?」
「…ああ。もらおう」
「え!?マジで!?」
緑間と紫原が仲良くしている光景が珍しくみなが驚いているところ、ベンチの選手たちは立ちあがり喜んでいる
だがその輪の中にも入ることも立ち上がることもなく、大域はベンチに座ったままボーッとしていた