第30章 プールの授業
翌日からすっかり体調も復活したので部活も何事もなかったかのように行い、授業も受け始めた
そして今日、好き嫌いが分かれる夏にしかできない体育の授業が今年初めて行われる
ずっと中止だったせいか涼太は朝からウキウキしながら部活に参加していた
「プール楽しみっスね!名前っち」
『…ソーダネー』
「ずっと雨で入れなかったんスよ!?楽しみじゃないんスか?」
『タノシミタノシミー』
「なら良いじゃないっスか!」
『水着がスクール水着ってやっぱなんか、思うことはあるよ』
「えー可愛いっスよ名前っちの水着姿、ほらこうー『勝手に想像するなワンコ』」
「…ワンコじゃないけど謝るっス」
ドリブルをする涼太の後方にいるテツヤが視界に入る。そう言えばテツヤも今日プールがあるなんて言っていたなと思い出す
『プールって、2クラス合同なんだっけ?』
「そうっスよ黒子っちのクラスと合同でやるらしいっス」
『へーちなみに涼太、こんなところで休憩してて良いの?』
「…どういう意味っスか?」
『後ろ』
クルッと後ろを向いた涼太の後ろには口角を上げて笑っている虹村先輩が立っていた
当たり前だ。全中前の休憩時間でもないこの時間に喋っていたら怒られるだろう
「ずいぶんと余裕そうだな黄瀬」
「きゃ、主将!よよよよよ余裕なんて無いっスよ!」
その後涼太への練習が厳しくされ、死にかけていたことを知ったのは朝練が終わったあとのことだった