第12章 おつかい
『おはようございます!』
「もう昼なんだが」
『じゃあこんにちは?虹村先輩、さつき』
「名前ちゃん大丈夫?何かに変な人に絡まれなかった?」
『大丈夫。荷物多すぎて困ったけど』
テンション高い男とそれに疲れ切った妹に絡まれたがそれをわざわざ話す必要はないと説明せず、虹村先輩から出ている「ならなんで時間かかったんだ?」というオーラに苦笑いを浮かべる
「おい苗字」
『あー聞こえない聞こえない』
「お前外周行く『なんでしょうか』」
「…ったく、荷物はいいから赤司のこと見てやってくれねえか」
『征十郎ですか?』
「なんか今日赤司君らしくないんだよね。シュート率少し低くて」
なぜ征十郎がここで出てくるのかと疑問に思いながら虹村先輩に荷物を渡すと快く受け入れてくれたのでそのまま絶賛練習中の体育館に入る
そんな彼のことをジッと見つめ観察していると確かにどこか様子がおかしい
『…手首?』
なぜかは分からないが手首に違和感がある気がし、今は練習を止めさせた方が良さそうだと判断した
ただの1年生マネージャーの言うことを信じてくれるか分からないので虹村先輩からコーチに相談してもらい、許可が下りたので休憩に入ったタイミングで彼に声をかける
『征十郎』
「名前か、買い出しは終わったのかい?」
『終わった。一緒に部室に救急箱取り行こ』
「どこか悪いのかい?」
『征十郎がね?』
「…仕方ないね」
彼はそのままついてくる。いや「仕方ないね」じゃないだろう。手首を痛めてて過酷な練習続けたら大変なことになることだってあると思う
バスケができなくなったらどうするんだと怒っていると、なんでこんな怒っているのか疑問になり体育館を出たところで溜め息が出てしまった