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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第6章 藤に詩へば$(無惨裏)


正確な日どりは最早思い出せない。
私は伏せっているばかりだったから。

思いは成就せずとも、彼女の体は手に入った。
それで、天寿を全うするならそれでも良いと諦念(ていねん)していた。

それなのに。



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翌日。

薬師が、ある薬を飲むように勧めてきた。



実際のところ、もう生きるための道になど興味はなかったが、薬師の言葉を聞いて私の中の何かが切れた。



「同じ薬を白藤殿にも飲んで頂いてますが、副作用は見受けられませんでしたし……」



白藤が。


では、白藤の様子が変わったのは、この薬師のせいだったのか。

濡羽色の艶やかだった髪は色を無くし、肌はより一層白くなった。

日のある内は体が怠いと、最近伏せっているのは全て……



怒りで体が震えた。

身体中の血液が沸騰しているのでは無いかと思うくらい、ぐらぐらと熱くなっていくのを感じた。



こんなことは初めてだった。


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