第77章 華ぞ咲く$
水音が廊下に漏れ聞こえてしまうのではないかと羞恥で余計にしのぶの身体は火照っていく。
鋼鐵塚は陰茎が擦れる事で快感が増し、挿入まではしないものの、腰の動きを速めていく。
互いに登りつめていき、達したのは二人ともほぼ同時だった。
しのぶと鋼鐵塚が撒き散らかした液体で敷布がぐっしょりと濡れているのも構わずに、鋼鐵塚はしのぶを抱き締めたまま横たわる。
二人ともにはあはあと荒い息を整えて居ると、しのぶが鋼鐵塚に擦り寄るように動き出す。
「鋼鐵塚さん……その……///」
「何だ?」
鋼鐵塚の顔が先程よりも凛々しく見えて、しのぶは何となく口ごもってしまう。
誰かに見蕩れるなんて『彼』以来である。
「悪かったな、怖かったんだろ?」
「え?」
「お互い初めてで勝手がよく分かっちゃいねぇんだから、俺だけ満足しても良くねぇだろ?」
「………私は……」