第76章 契りて繋がる縁たち$(冨岡裏)
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「それで、御館様と何を話していたんだ?」
「えっとですね……義勇さん。とりあえず先に報告があります」
白藤の雰囲気が変わったので、冨岡も自然と背筋を伸ばした。
「報告?」
「ここに、子が居ることが分かりました」
「………昨日今日で分かるものなのか?」
「違いますよ……私がを目を覚ました日のことを覚えていますか?」
「確かに交合いはしたが、あの時はまだ人に戻りきってなかっただろう?」
「そうですね。鬼のままなら、子は流れる筈でした」
「鬼のままなら?」
「その……分かりずらいかも知れませんが、鬼に月のものは無いので、精子の寿命は胎内に残っていれば五日保つらしいですし…その……」
「………」
「珠世様曰く、血液を調べた所、その可能性が高いと……」
まぁ、今回違っていたとしても、実質一番可能性が高いのは昨夜だろうし……
腟内出し十回越えは妊娠しない方がおかしいだろう。
「………俺の子が?」
「いますよ、恐らくは。ただそうなると夜の閨事は基本的に回数制限をしなければなりません」
「そ、そうなのか……待て、赤子と御館様に何が関係するんだ?」
気づきましたか。
「………義勇さん、私があまね様の家系の先祖に当たることはご存知でしょうか?」
「………ん?と、言うことは……?」
「要は、私共は産屋敷の分家という扱いになります」