第76章 契りて繋がる縁たち$(冨岡裏)
離さない。
離したくない。
このまま、縛り付けておきたいなんて、こんな気持ちはどうかしている。
赤子が出来れば、彼女を誰にも取られない。
保障などない、けれど彼女との幸せと愛の結晶を残せるならと。
独占欲に都合のいい理由をつけて、彼女に無慈悲に子種を放出し続ける。
本能でしか動けない獣の様だ。
孕め、孕めと念じながら、幾度となく欲を吐き散らして。
「ぎゆ……ゆるし……とま”っ……!!///」
「まだだ……!!」
縋る白藤の手すら押し付けて、最後の一滴まで俺は彼女の腟内に全てを流し込んだ。
「はぁはぁ……白藤?」
呼吸はしている。
どうやら気絶させてしまった様だ。
彼女に挿れたままだった陰茎を取り出すと、大量の白濁が流れ出てきた。
それを見て、段々と頭が冷めてくる。
俺は……
「白藤……すまない」
「義勇、さん?」
「無理を、させた……」
「あー、さすがに十三回位から私も記憶が……」
「十三……?」
「あはは。蝮酒って、怖いですねー……義勇さん?」
どう見ても顔色が悪い冨岡に声をかける。
「どこか具合が……?」
「俺は……酷いことを……」
「………まあ、暴走中は……ちょっと、あれでしたけど……義勇さんの事、嫌いになったりしてませんよ?」
「な?」
「最後のあれ……覚えてないんですか?」
「?」
「残念、無意識でしたか……」