第75章 祝福の白は青と交わる＄(冨岡裏)

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胡蝶は私室に下がると再び客人と向かい合った。


「まったく……」

「そんなにお叱りにならなくても良かったのでは？」

「甘くしたら付け上がるんですよ、彼らは。ところで今日はどうしたんですか？珠世さん」

「その……私と愈史郎をこの蝶屋敷で働かせては頂けませんか？」

「ここで、ですか？」

「ええ。ここでなら、私も治療を手伝えますから。胡蝶様のご迷惑でなければ。ですけど」



鬼である珠世と愈史郎をこの屋敷に……？


有り得ない。


決戦前は上弦を倒すための共同研究という名目で二人で藤の薬を調合したが……


鬼と共に生活をするなんて……



『鬼と人が仲良く出来たら……』



違う、そんな簡単な話じゃないわ、姉さん。


初めから協力なんて出来ないし、それに鬼を信用するなんて……


私、まだ、白藤さんですら、許せていないのに……